禁煙外来

禁煙外来とは

【お知らせ】

2021年6月23日現在、禁煙補助薬(チャンピックス)が出荷停止になっている為、新規禁煙治療の受付を一時中止しております。再開しましたら改めてお知らせさせていただきます。

禁煙外来喫煙はさまざまな疾患の原因になりますし、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は主に長年の喫煙習慣によって起こり、症状の進行を止めるためには禁煙が不可欠です。
禁煙外来は、喫煙習慣を止めたいと考えている喫煙者の方のための専門外来です。

健康保険適用について

禁煙治療は全額自己負担の自費診療として受けることもできますが、一定の要件を満たすことで健康保険が適用されます。治療内容自体は、自費診療も保険適用の場合も変わりません。この判断は、初回の診療時に医師が行います。

健康保険適用のために必要な一定の要件

  • ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
  • 35歳以上の方でブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
    ※ 25歳から1日15本喫煙している45歳の方のブリンクマン指数は、15(本)×20(年)=300です。
  • すぐに禁煙したいと考えている
  • 医師から受けた禁煙治療の説明に同意し、説明内容に納得した上で文書にサインなどで同意をする

なお、過去に健康保険などによる禁煙治療を受けたことがある場合、前回の治療の初回診察日から1年が経過しない間に再度禁煙治療を受ける場合には、健康保険が適用されず自費診療になります。

タバコに含まれる有害物質は200種類以上

タバコに含まれる有害物質は200種類以上タバコの煙の中には、200種類以上の有害物質が含まれ、その有害物質の約50種類に発がん性があるとされています。喫煙が原因で発症するがんでは肺がん、喉頭がんが有名ですが、食道がん、胃がん、膀胱がん、肝臓がんなども喫煙がリスクファクターになります。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は長年の喫煙経験が主原因で発症しますし、喫煙は肺炎などが重症化する大きなリスクファクターであり、喘息発作を誘発する原因にもなります。また、喫煙によって血管が収縮するため高血圧や動脈硬化が発症・進行しやすく、脳出血や心筋梗塞などの原因にもつながっています。そして、高齢の場合は、血管の収縮によって歯周病も悪化しやすくなるため、誤嚥性肺炎の発症リスクも上昇してしまいます。
こうしたさまざまなリスクを抑えるために、禁煙は大きく役立ちます。疾患の状態によっては、禁煙が治療には不可欠になるケースもよくあります。

ただし、喫煙にはニコチンの作用で脳や身体に快感をもたらす身体的依存があり、ほっとする・気持ちに区切りがつく・リフレッシュするといった心理的依存性もあります。こうした強い依存性によって喫煙が止められないという方や、何度禁煙しても再び喫煙習慣が戻ってしまうという方が多いのです。ニコチン依存症は、一種の薬物依存状態ですから、治療が必要な病気として考えることが重要です。

禁煙治療の内容

禁煙治療の内容問診で、患者様の喫煙歴などをうかがった上で医師が総合的に判断して禁煙補助薬を処方しています。
処方後は経過観察のためにご来院いただいて、生活指導などのアドバイスも行います。気になることやお悩みがありましたら些細なことでも気兼ねなくご相談ください。

ニコチンを含まない禁煙補助薬

チャンピックス(飲み薬)

主成分はバレニクリン酒石酸塩で、ニコチン切れ症状であるイライラ感や焦燥感などを軽減します。また、喫煙した際に美味しく感じさせなくする効果も期待できます。
服用をはじめるのは禁煙開始予定日の1週間前からで、1日2回、食後にコップ1杯程度の水かぬるま湯で服用します。服用をはじめた1週間は、喫煙しながら服用し、8日目に禁煙します。ただし8日目前に自然に喫煙をしなくなった場合はそのまま禁煙をスタートして構いません。
一般的な服用期間は合計12週間で、途中で服用を止めず、医師の指示通りに服用してください。
副作用については、吐き気、不眠症、頭痛などが報告されているため、こうした症状が現れた場合には服用を中止してご連絡ください。

ニコチンを補給する禁煙補助薬(当院では採用していません)

ニコチンパッチ(貼り薬)

ニコチンを含んだ貼り薬です。ニコチンが皮膚からゆっくり吸収されます。タバコを吸うと200数類以上の有害物質にさらされますが、ニコチンパッチは有害物質がニコチンだけですから比較的安全です。
医師処方のニコチンパッチもありますが、薬局で購入できるものもあります。
1日1回、上腕や腹部、腰背部などにニコチンパッチを貼りますが、同じ位置に続けて貼るとかぶれる可能性がありますので、毎日異なる場所に貼ることをおすすめしています。また、1日2枚以上貼ると過剰に摂取することになるため控えてください。なお、ニコチンパッチを貼って、さらに喫煙やニコチンガムを噛むと吐き気やめまい、腹痛などを起こすことがあって危険ですから絶対にしないでください。

ニコチンガム

ニコチンが含まれたガムで、薬局で購入できます。噛むとニコチンが口内の粘膜を通じて血液に吸収されます。1回の使用量は1個を守り、噛む数を徐々に減らしていくことが重要です。ニコチンパッチと同様に、含まれる有害物物質はニコチンだけです。のどの痛みや刺激感、吐き気、胸やけ、頭痛、めまいなどの副作用が報告されています。医薬品であり、普通のガムとは噛み方も異なりますので、必ず使用法を守ってください。正しく使用することで効果が得られ、間違った使い方をすると副作用を起こす可能性もあります。

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